生命保険には「変額保険」というものがあります。
変額保険とは簡単に言えば保険料にファンド、投資信託の要素を組み込み、運用結果によって保険金額が変動する仕組みです。
これは経済情勢の変動による保険料の目減りリスクを軽減する目的で開発されました。
まだ日本ではあまり馴染みの無い商品のため、ここではオススメランキングをご紹介するとともに変額保険とは?という疑問も分かりやすく解説していきます。
変額保険ランキングTOP10
将来への備えとして有効な手段の一つが、変額保険です。
変額保険には保険期間が一定の「有期型」と、一生涯保障が継続する「終身型」があります。ということで早速、ここではおすすめの変額保険10社+それぞれの特徴を紹介していきます。
1.アクサ生命 ユニットリンク
アクサ生命のユニットリンクは変額有期保険です。
死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われるタイプの保険となっており、運用が不調な場合も基本保険金額は最低保障されるのがポイントです。
さらに介護が必要なときも保険金が支給されます。
特定勘定は10種類をラインナップしており、契約後も繰越割合や積立金移転等の変更が可能です。
さらに保険料免除特約付与で、重篤な病気になった場合に保険料の払込免除もOKです。
その他、年金支払特約を中途付与することにより満期保険金を年金で受取可能になるなど拡張性の高さも魅力です。
日本国内での歴史はまだ浅いですが、世界的な老舗で運用実績の高さが魅力でもあります。他方、アクサ生命の当商品は比較的積極運用のため、リスクも高いので注意が必要です。
2.ソニー生命 バリアブルライフ
ソニー生命のバリアブルライフは「バリアブル(可変)」の文字通り変額有期保険、変額終身保険の 2種類がラインナップされています。
この保険では死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われます。なお、運用が不調な場合も基本保険金額は最低保障されます。
ちなみに特定勘定は8種類をラインナップしており、契約後も繰越割合や積立金移転等の変更が可能です。その他、保険料免除特約付与で所定の状態(がん、心疾患、特定障害など)になった場合に保険料払込免除という手厚い特約も付与可能です。
さらに5年ごと利差配当付年金支払特約を付与することによって、保険金等または解約返戻金相当額を年金で受け取り可能なのも資産形成上嬉しいポイントです。
3.東京海上日動あんしん生命 マーケットリンク
東京海上日動あんしん生命「マーケットリンク」は変額有期保険です。
死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われる保険で最低保証はありません。
特定勘定は8種類をラインナップしており、年金支払特約を付与することにより満期保険金を一時金による支払いに代えて、年金で受け取り可能など他社の商品とほぼ同等のスペックを持ちます。
また信託報酬手数料が他社よりも安いのも特徴です。
4.メットライフ生命 変額保険 ライフインベスト
メットライフ生命の変額保険「ライフインベスト」も変額有期保険です。
こちらも死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われるなど、主なスペックは他の商品と同様です。
運用が不調な場合も基本保険金額は最低保障され、特定勘定は10種類をラインナップしています。ここは他の商品と比較して、やや種類が多めです。
三大疾病保険料払込特約付与で三大疾病(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)になった場合に保険料の払込免除も可能です。
5.プルデンシャル生命保険 変額保険
プルデンシャル生命の変額有期保険です。
こちらは変額終身保険の2種類がラインナップされています。
死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われる特徴があり、運用が不調な場合も基本保険金額は最低保障される部分は手厚いと言えます。
特定勘定は6種類をラインナップしており、疫病障害による保険料払込免除特約付与で身体障害の状態(眼の視力を失う、両耳の聴力を失うなど)になった場合に保険料払込免除も可能です。
さらに保険金等の支払方法の選択に関する特約を付与することにより、保険金等または解約返戻金相当額を年金で受け取り可能です。
6.PGF生命 変額終身保険PG
PGF生命変額終身保険PGは死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われるタイプの保険です。
運用が不調な場合も基本保険金額は最低保障され、特定勘定は2種類をラインナップしているなど変額保険としてのスペックは上々です。
さらに保険料免除特約I型付与で三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になった場合に保険料払込免除が可能となっています。
加えて、保険金等の支払方法の選択に関する特約を付与することにより保険金等または解約返戻金相当額を年金で受け取り可能なのも嬉しいポイントです。
7.マニュライフ生命 変額保険
マニュライフ生命の変額保険は変額有期保険です。
死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が支払われるタイプの保険ですが、詳細は資料請求をする必要があるため担当者との打ち合わせが必要です。
8.第一フロンティア生命 ダブル・フロンティア終身
第一フロンティア生命のダブル・フロンティア終身は変額終身保険です。
死亡または高度障害状態になったとき、死亡保険金、高度障害保険金が指定通貨で支払われるタイプの保険となっています。
こちらも運用が不調な場合、基本保険金額は指定通貨で最低保障されます。
特定勘定は3種類(指定通貨)をラインナップしており、契約満了時に次期保険期間に積立金移転等の移行も可能です。
年金支払移行特約を付与することにより、第1保険期間満了日の積立金額を特約年金原資額として年金で受取が可能です。(※ただし、第2保険期間移行日に特約を付与することが必要です)
9.三井住友海上プライマリー生命保険
三井住友海上プライマリー生命保険は変額終身保険で、以下の4つのコースが存在します。
- 基本コース
- 死亡保険コース
- 介護認知症コース
- 生存給付コース
これら全コース共通で死亡になったとき、積立金額が支払われます。
また、介護認知症コースでは支払事由に当てはまる場合に積立金額が支払われます。最低保障はないものの、特定勘定は14種類をラインナップしており他社商品より多い印象です。
ちなみに生存給付コースの場合、積立金額を年金で受取可能です。
10.日本生命 夢のプレゼント2
日本生命から出ている「夢のプレゼント2」は変額有期保険です。
生存給付金付変額保険となっており、支払いは一時払い300万以上と比較的大口です。またこちらの保険では契約者が死亡状態になったとき、死亡保険金が支払われます。
運用が不調な場合も指定通貨での死亡保険金額は最低保障され、特定勘定は2種類(指定通貨)をラインナップしています。
満期時に目標額の超過分が支払われる特徴があり、契約の一年後から生存給付金が受け取れるのも特筆すべき事項です。なお、この保険は贈与または生活費として受け取ることも可能です。
変額保険とは
変額保険とは簡単に言えば、ファンド、投資信託を設け、その運用結果によって保険金額が変動する仕組みの保険商品です。
インフレ時に保険金額が目減りする確定保険の弱点を補完するために開発された保険で、資産運用実績に応じて「死亡保険金」「満期保険金」「解約返戻金」を受け取れます。
終身保険と異なり、満期保険金を受け取れる特徴がある一方、運用の結果によっては満期保険金と解約返戻金は元本割れするリスクがある点に注意が必要です。
なお死亡保険金は基本保険金として最低保証が付帯します。
変額保険のタイプ
変額有期保険 | ・定額保険の養老保険に該当するタイプ ・保険期間は一定期間 ・保険期間終了時に満期保険金を受け取れる ・解約しても、満期保有しても、保険期間中に死亡してもお金を受け取れるため、貯蓄性の高い保険と言える |
変額終身保険 | ・定額保険の終身保険に該当するタイプ ・保険期間が一生涯続く ・終身保険のため、生存中に資金を取り崩す場合は解約・減額する |
変額個人年金保険 | ・個人年金保険の変額保険版 ・定められた期間、運用を行い年金支払開始年齢に達すると年金として分割して支払われる ・投資型年金保険とも呼ばれる |
自分の老後資金や教育資金など、受け取りたいタイミングがある場合は有期型と年金型を選択すると良いでしょう。
また、相続対策を兼ねて考える場合は終身型が適しています。生命保険の死亡保険は「500万円×法定相続人」まで相続税の対象にならないため、現金での相続よりも相続税対策になります。
受け取り方法
終身 | ・契約期間中に死亡した場合、死亡保険金を受け取れる ・生存中に資金を取り崩す場合、解約または減額となる |
満期保険金 | ・満期時に運用残高を一括で受け取れる |
年金 | ・契約期間中に死亡した場合、死亡保険金を受け取れる ・定められた期間運用した場合、年金支払開始年齢に達すると年金として分割して支払われる |
確定保険と変額保険の比較
確定保険とは、保証される保険金額が変動せず、契約時に決められた金額のまま一定であるタイプの保険商品のことを言います。
確定保険と変額保険の特徴を比較してみましょう。
確定保険 | 変額保険 | |
死亡・高度障害保険金 | 定額 ・契約時に確定した保険金額 | 変動 ・運用実績により変動 ・最低保証あり |
満期保険金 | 定額 ・契約時に確定した保険金額 | 変動 ・運用実績により変動 ・最低保証なし |
解約返戻金 | 定額 ・振込年月などにより計算された契約時に確定した解約返戻金 | 変動 ・運用実績により変動 ・最低保証なし |
資産の管理・運用勘定 | 一般勘定 | 特別勘定 |
資産運用のリスクの帰属 | 保険会社 | 契約者 |
インフレ対応 | 対応不可 | 対応可能 |
このような違いがあります。
- 運用実績に応じて給付が変動するタイプの保険商品の資産を管理・運用する勘定
- 他の保険種類とは区別して、管理・運用が行われる
- 変額保険や変額年金は特別勘定になる
確定保険のメリット
確定保険のメリットについて解説します。
大きく言えば、安心感を得られるのがメリットです。
メリット1:物価の上昇・下落に関わらず一定の保険金を受け取れる
インフレやデフレに関係なく、契約時に決まった保険金額を受け取ることができます。この安定感は大きいと言えます。
メリット2:保険の安心感を得ながら貯蓄することができる
契約期間内に万一亡くなった際に死亡保険金が受け取れるなど、保険の保証を受けつつ貯蓄することが可能となります。
満期保険金や解約返戻金も契約時に確定した金額が支払われる場合が多いため、支払った保険料が無駄になりにくい特徴もあります。
メリット3:手間がかからない
契約時に決めた通りの内容で満期まで変化しない=手間がかからないのもメリットの一つです。
資産運用のように景気の動向などにより商品のスイッチングなどが不要なのもある意味では楽な運用が可能です。
確定保険のデメリット
続いて、確定保険のデメリットを解説します。
デメリット1:保険料が割高
まず保険料が割高なことは否めません。
保険料の中に保険会社の運用費用や管理費用が含まれるため、純粋な貯蓄に比較して割高です。
デメリット2:インフレに弱い
続いてインフレへの脆弱性が挙げられます。
インフレとなり物価が上昇しても、確定保険の運用利回りは変化せず支払われる保険金も一定です。そのため、物価の上昇に対して相対的に保険金の価値が目減りする可能性があるのです。
デメリット3:早期解約すると元本割れする場合がある
早期解約すると元本割れする場合があることは、押さえておくべきです。
解約返戻金も一定額返金されるとしても、早期解約した場合、払い込み金額よりも解約返戻金が少なくなり、元本割れする可能性があります。
保険料の支払い計画・ライフプランをしっかり考えてから契約することがおすすめです。
変額保険のメリット
変額保険のメリットを解説します。
メリット1:運用実績に関わらず死亡保険金は最低保証される
運用実績に関わらず死亡保険金は最低保証されるポイントは、メリットの最たるものです。
満期保険金と解約返戻金には最低保証はないが、死亡保険金には保険契約時に決めた最低保証が付帯します。そのため、運用により大きな利益を得られる可能性があると同時に、万一に備える保険としての機能も期待できます。
メリット2:インフレ対策となる
インフレ対策にもなります。
変額保険は確定保険のように予定利率(運用利回り)が設定されていないため、インフレで物価が上昇した場合に運用実績が上昇する可能性が高いといえます。
受け取れる保険金や解約返戻金が増えるため、物価が上昇した場合でも相対的に保険金の価値が目減することを防ぐことができるでしょう。
メリット3:運用中は非課税となる
資産運用は投資信託や株式投資でも可能ですが、利益や配当に対して20.315%の税金がかかるります。しかし変額保険の場合、運用中に利益が出ても課税されることはありません。
ただし、将来保険金や解約返戻金を受け取るときに運用益が発生していると税金が課せられることもあるため、注意が必要ではあります。
変額保険のデメリット
変額保険のデメリットを解説します。
デメリット1:元本割れのリスクがある
変額保険で受け取れる満期保険金や解約返戻金は運用実績に応じて変動するため、運用がうまくいかなければ元本割れする可能性があります。
死亡保険金には最低保証がある一方、満期保険金や解約返戻金には最低保証がないため注意が必要です。
デメリット2:資産運用としてはコストが割高
死亡保証が不要で投資のみを目的とする場合、投資信託よりはコストが余計にかかる分割高となります。ここは注意点です。
変額保険はあくまでも保険であるため、目的を明確にして利用する必要があると言えます。
デメリット3:デフレに弱い
デフレ期には株式が低調となる傾向があり、債権も利率が低くなるため、変額保険の運用実績があまりよくならない可能性があります。
【結論】結局おすすめなのは変額保険
結論として、結局おすすめなのは変額保険です。
死亡保証など保険の安心感を得つつ、資産運用に取り組むのであれば、変額保険がおすすめなのです。変額保険であれば、将来のインフレリスクに備えることも可能でしょう。
なお、今回紹介した中でのイチオシはアクサ生命ユニットリンクです。
おすすめポイントをおさらいしましょう。
- 基本保険金額の最低保証
- 特定勘定が10種類と多い
- 契約後の繰越割合や積立金移管等の変更可能
- 保険料免除特約の対象が多い
- 年金としても受け取れる
上記メリットがあるため、おすすめです。
まとめ
保険の安心感を得ながら資産運用をしたい人には変額保険がおすすめです。
将来のインフレリスクに備えることもできるためです。
そして変額保険は種類や内容により、保険会社の特性が出ることも特徴のひとつです。・受け取り条件をしっかり確認し、リスクも理解した上で契約しましょう。