この記事をお読みいただいているあなたは、
- どんなヘッジファンドに投資すればいいのだろうか?
- 個人投資家向けのヘッジファンドってあるのだろうか?
そんな風にヘッジファンドの情報をお探しのことだと思います。
ヘッジファンドと聞くと、富裕層向け、機関投資家向けというイメージがあり、個人投資家だと無縁の世界だと思いがちですが、近年個人投資家でも投資できるヘッジファンドも増えてきました。
ただし、ヘッジファンドはそもそも多くの情報を公開していないので、情報が入りにくいという側面があります。実際に面談してみないとわからないことも多いので、こうしてインターネットで情報を調べていても思うように情報が集まらないのも事実です。
この記事では、私がこれまでに資料請求や面談を行ったヘッジファンドの中から、個人投資家が投資するなら、という視点でランキング形式にまとめました。最低投資額100万円〜のものもあり、個人投資家でも手が届くヘッジファンドです。ぜひ参考にしてみてください。
個人投資家がヘッジファンドを選ぶときの5つの基準
ランキングのご紹介に入る前に、まずは個人投資家がヘッジファンドを選ぶときの5つの基準についてお話ししたいと思います。ヘッジファンドは、そもそも全てが投資していいような優秀なものばかりではありません。富裕層を狙った詐欺的なものもあれば、個人投資家にとっては手数料が高すぎて利益が出ないものもあります。だからこそ、正しい基準を持って、慎重に判断する必要があるのです。
私がヘッジファンドを見る場合の基準は、以下の5つとなります。
- 投資へのハードルの低さ
- 資金の流動性の高さ
- 運用は安定しているか
- 手数料の仕組み
- 運用会社の信頼性
それぞれ説明していきましょう。
1:投資のハードルの低さ
個人投資家にとってヘッジファンドへの投資は、ハードルの低さもポイントになります。
- 投資条件
- 言葉
- 手続関係
これらがハードルの高いものは二の足を踏んでしまいます。
中には最低投資額が1億円以上のファンドもあるなど、投資したくてでもできないものもあります。仮にクリアできるとしても、やはり厳しい条件のあるファンドは、慣れないうちは避けるのが賢明です。最近は少額から始められるヘッジファンドも増えているので、そうしたところを検討してみるのが良いかと思います。
また、最近では海外のヘッジファンドの紹介を行う業者もいます。手間いらずで仲介してくれるサービスであれば利用しても良いのですが、ただ紹介を行うだけの場合は、結局手続きに手間と時間がかかります。
言語の壁も大きく、契約関係は全て英語なので、その点でもハードルが高いと言えます。英語が得意な人に間に入ってもらうにしても手間と時間、そしてお金がかかるので、そこまで手間がかけるヘッジファンドなら、まずは少額で始めやすいものを選ぶことをお勧めします。
2:資金の流動性の高さ
資産運用において流動性の高さは重要なポイントです。例えば多額の資金を投資した場合、それが1年間解約できないと困るケースもできてきます。ヘッジファンドなどは基本長期保有が前提の投資となるわけですが、1年間は解約できないものがあるなど解約タイミングが限られているものもあります。短いスパンで投資していくスタイルの方の場合や、何かしらお金が必要になって資金を動かすケースがでるような人は、流動性の高さも見ておく必要があります。
近年は、解約や出金もしやすいファンドが増えていますが、契約後に気がつくことになると大変です。いざお金が必要になった時に資金が拘束されるようなファンドは避けるのが賢明でしょう。流動性についても事前にしっかり確認しておくようにしましょう。
3:運用は安定しているか
ヘッジファンドを見ていく際には、まず過去の運用実績を見ていくようにしましょう。直近3年、5年で見ながら、運用成績が安定しているかどうかを見ていきます。安定性はとても重要で、利回りが良くても安定しないものだと個人投資家には向きません。
また、安定性は運用成績にも大きな差を生むことになります。
ファンド① | 利回り | ファンド② | 利回り | |
投資開始 | 100万円 | 100万円 | ||
1期目 | 110万円 | +10% | 70万円 | -30% |
2期目 | 121万円 | +10% | 119万円 | +70% |
3期目 | 133万円 | +10% | 107万円 | -10% |
平均利回り | +10% | +10% |
上記は、同じ100万円を運用、利回り10%という条件での運用結果ですが、3期目を終えた時点での結果に大きな差があることがわかります。月ごとの利回りの変動差が大きいと結果的に利益が残らなくなってしまいます。
また、月単位とはいえ大きく下げる月があると、継続して運用するのも難しくなります。投資は精神的な面で安定して続けられるかはとても重要です。ヘッジファンドは安定性をしっかりと見て判断するようにしましょう。
そもそもヘッジファンドには元本保証はありません。中には元本保証や、月や年単位で固定利回りを謳うファンドもあるようですが、そのほとんどは詐欺案件やポンジスキームです。過去の運用実績がわからないと判断しようがないので、できるだけ避けるようにしましょう。
4:手数料の仕組み
ヘッジファンドに投資する際には、手数料についても十分調べておくことが重要です。基本的にヘッジファンドの手数料は成功報酬型です。運用を行って利益が出た場合のみ、手数料が発生する仕組みです。ヘッジファンドが提示している利回りというのは、この手数料を引いたものなので、基本的には手数料を引いても利益が残ることをアピールしています。ただし、中には手数料を引く前の利回りを提示するファンドもあります。この場合、利益が出るように見えても、実際手数料を引くと利益が残らない、場合によってはマイナスになるケースもあります。こうした悪質な見せ方をするヘッジファンドもあるので注意しましょう。
見極めるポイントは、わかりやすさです。パッとみてわかりにくい複雑な見せ方をしていたり、明確な表現を避けてあやふやな説明書きのヘッジファンドは悪質な可能性もあるので注意してください。投資家にとって重要なのは、最終的に手元にいくら残るかと言うことです。手数料もしっかり確認しておきましょう。
5:運用会社の信頼性
ここまで利回りや手数料などをポイントにあげてきましたが、それらを踏まえた上で最終的にみるべきポイントが運用会社の信頼性です。どれだけ利回りの良い会社でも、それが詐欺会社、詐欺案件だと意味がありません。ポンジスキームに引っかかり大切な資金を失わないようにするためにも、信頼性の低い会社への投資は避けるべきです。
投資を考えるヘッジファンドは、本当に信用できる会社かどうかを、会社情報や口コミなどをみながらしっかり見極めるようにしましょう。ただし、ヘッジファンドの情報は基本的にあまり出回らないので、検索だけで見極めるのも困難です。金融庁や財務局管轄の認可を所得しているかどうかもしっかりチェックしておきましょう。海外のヘッジファンドは国内ほど審査が厳しくないので、その点も加味しながら慎重に判断しましょう。
【2022年最新版】個人投資家おすすめのヘッジファンドランキング
今回、私が個人投資家向けのおすすめヘッジファンドを選考するにあたり、以下のヘッジファンドを調査しました。実際に問い合わせを行ったり、面談をしたりしながら、ここまであげてきた5つの項目で各ヘッジファンドの評価を行いました。
調査を行ったヘッジファンドは以下の通りです。
- 暁翔キャピタル
- ハヤテインベストメント
- ベイビュー・ アセット・マネジメント
- アズカルアセットマネージメント
- エアーズシー証券
- フロンティアキャピタル
- エピック・パートナーズ・インベストメンツ
- 武士道アセットマネジメント
- Unearth International Limited
- ストラテジックキャピタル
- トータスパートナーズ
- ヘッジファンドダイレクト
- BMキャピタル
- Japan Act
- ミョウジョウ・アセット・マネジメント
- プルーガ・キャピタル
上記のヘッジファンドを5つの項目で評価を行い、個人投資家向けのヘッジファンドをランキング形式でご紹介したいと思います。
第4位ストラテジックキャピタル
総合評価 | 3.0/5.0 |
運用の安定性 | △ 直近5年-22.69%~+76.35% |
投資のハードル | △ 最低投資額10万米ドル |
資産の流動性 | △ 解約タイミング四半期 |
手続きのシンプルさ | △ 早期解約には解約手数料が必要 |
企業の信用力 | ◎ 第二種金融商品取引業 |
ストラテジックキャピタルとは
運用会社はストラテジックキャピタル、運用開始は2015年です。投資手法は日本の小型株式を対象としたアクティビスト投資戦略です。
ストラテジックキャピタルの利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
2015年 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | +4.86% | -0.64% | +4.19% |
2016年 | -6.55% | -6.47% | +9.56% | +0.66% | -0.64% | -7.65% | +6.85% | +0.32% | -2.36% | +4.93% | +7.70% | +2.63% | +7.37% |
2017年 | +1.03% | +1.09% | +2.56% | +1.72% | +2.49% | +4.77% | +1.15% | -0.19% | +5.02% | +1.49% | -2.13% | +2.62% | +23.65% |
2018年 | -1.63% | +2.26% | -0.55% | +1.90% | +0.03% | -1.78% | +1.01% | -9.64% | +3.06% | -4.63% | +0.01% | -13.96% | -22.69% |
2019年 | +13.08% | +1.18% | +3.74% | -3.09% | +13.50% | +2.24% | +8.24% | +1.72% | +4.67% | +6.41% | +4.49% | +3.09% | +76.35% |
2020年 | -0.97% | -15.37% | -3.67% | +2.03% | +7.76% | -6.18% | -8.09% | +17.60% | +4.23% | +0.49% | +2.83% | -0.46% | -3.50% |
まず平均利回りは約14%程度と、一般的なヘッジファンドの利回りという印象です。ただし、2019年+76%と大きく利益が出ていますが、2020年はマイナスになるなど、振れ幅が大きな印象があります。値動きが大きな側面に関しては、リスクの高いヘッジファンドと言えるかもしれません。
ストラテジックキャピタルの総合評価
評価できるポイントには、
- 大きな利益も期待できる可能性
- 企業価値向上への貢献
といった点が挙げられます。
利回りの項目でもご紹介しましたが、単年では大きなプラス運用になることもあります。ただし、マイナス運用になる可能性も大きく、その点を慎重にみていく必要があります。早期での解約には手数料も必要なので、慎重に参入タイミングを見極めることも必要です。
投資戦略は株価が割安な企業への投資を行い、事業提案を行うことによって価値を高めて投資リターン獲得を目指すというアクティビスト戦略をとっています。投資家にとって企業価値の向上に貢献できるという、意義を持った投資ができる点は魅力と言えそうです。ただし、そのためにはある程度の時間が必要になります。成果が出るまで長期保有が基本になることも頭に入れておく必要があります。
マイナスポイントは、
- リスクの高さ
- 資産保有条件の厳しさ
- 早期解約時には解約手数料がかかる
- 解約タイミングが四半期に1回だけ
ということがあります。
利回りの高い運用が期待できる反面、単年ではマイナスになることもある点でリスクの高さは否めません。長期的にはある程度優秀なヘッジファンドだと評価できますが、マイナス時は2割程度資産が減少する可能性もあるので、その点も踏まえご自身のリスク許容度と照らしわせて考える必要があります。
また投資への条件は厳しく「金融資産5,000万円以上&保有不動産などの資産合計が1億円以上」といった条件もあります。
解約手数料やタイミングも厳しく、投資から12ヶ月以内に解約した場合は、換金代金として5.0%の解約手数料がかかることになります。元々変動の大きなヘッジファンドなので長期保有が前提になるかと思いますが、早期解約は4半期に一度しかなく、解約手数料がかかることも理解しておきましょう。基本的には機関投資家向けのヘッジファンドと言えますが、アクティビスト戦略に投資できるという意味では、個人投資家にとっても貴重な選択肢になり得るファンドだと評価できます。
第3位 エピック・エピック・パートナーズ・インベストメンツ
総合評価 | 3.4/5.0 |
運用の安定性 | △ 直近5年-14%~+23% |
投資のハードル | ○ 最低投資額1,000万円 |
資産の流動性 | △ 解約タイミング毎月(最初半年はロック) |
手続きのシンプルさ | △ 証券会社手数料が別で必要 |
企業の信用力 | ◎ 第一種・第二種金融商品取引業 |
エピック・パートナーズ・インベストメンツとは
運用開始は2011年、運用会社名:エピック・パートナーズ・インベストメンツです。投資手法は日本株式を対象としたマーケット・ニュートラル戦略をとっています。
エピック・パートナーズ・インベストメンツの利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
2011年 | – | – | +2.09% | +0.38% | +0.01% | +4.53% | -3.45% | -4.38% | -1.61% | +11.01% | -1.60% | +2.55% | +9.00% |
2012年 | +2.30% | +6.05% | -0.29% | +2.15% | -8.78% | +1.48% | -5.84% | -9.61% | -1.63% | +0.28% | +0.77% | -0.71% | -14.07% |
2013年 | +11.36% | +2.57% | +1.43% | +14.44% | +7.46% | +1.93% | +3.77% | +0.67% | +0.51% | +3.33% | -5.39% | +3.07% | +53.66% |
2014年 | +7.64% | +0.92% | +3.59% | +3.63% | +1.89% | +5.28% | -2.17% | +2.07% | +0.65% | -0.96% | -2.24% | -1.19% | +20.28% |
2015年 | -8.54% | -0.43% | -2.08% | +7.29% | +2.80% | +1.09% | -0.93% | +1.99% | +1.27% | +2.30% | +1.75% | +1.38% | +7.35% |
2016年 | -1.64% | +1.09% | +6.91% | +0.90% | -2.41% | -3.84% | -1.45% | +1.78% | +2.17% | +1.09% | +2.05% | -0.81% | +5.55% |
2017年 | +2.16% | -1.55% | -1.69% | -0.51% | +1.93% | +1.12% | +1.37% | +0.37% | +1.42% | +1.11% | -0.04% | +0.67% | +6.45% |
2018年 | +1.78% | -2.45% | -2.57% | -3.10% | +2.95% | -2.21% | +3.47% | +3.47% | -3.97% | -0.86% | -9.20% | -2.40% | -14.76% |
2019年 | +6.79% | +0.73% | +1.53% | -0.11% | +0.78% | +3.00% | +1.94% | -1.15% | +3.10% | +1.78% | +0.76% | +2.24% | +23.35% |
2020年 | -0.09% | +0.37% | +1.24% | +4.52% | +1.05% | +3.64% | +4.74% | +1.20% | -0.26% | -1.46% | -9.00% | +3.07% | +8.58% |
ここ10年ぐらいの実績を見ても、大きく崩れることもなければ、大きく跳ねる年もなく、比較的安定している印象です。単年では二桁単位での動きがある時もありますが、基本は一桁台のプラス運用が多くなっています。
大きなリターンは期待できないまでも、大きなマイナスも出にくい、堅実な投資手法で運用しているヘッジファンドとも言えそうです。
エピック・パートナーズ・インベストメンツの総合評価
評価できる点は、
- 安定した運用を行う投資手法
- 金融庁の許認可取得
などがあります。
過去実績を見ても、比較的安定した運用を行なっており、マイナス運用は出にくい投資手法をとっていることが見て取れます。10年でマイナスは2回だけとなっていますが、マイナス時は二桁と少し大きくなってしまう点は気になるところです。投資タイミングによってはマイナスになってしまうので、長期保有を前提に考えるのも良いかもしれません。
マイナスポイントは、
- 大きなリターンは期待できないこと
- 投資から半年は資金がロックされる
- 二重で手数料かかる
- 過去に運用していたファンドは業績が悪く解散
などがあります。
安定した運用を行う反面、大きなリターンは期待しにくいファンドです。投資手法がリスクを取らない手法であることが理由です。高いリターンを狙う人には向かないファンドと言えるでしょう。
また、資金は投資から半年間ロックされてしまうことも知っておく必要があります。証券会社、運用会社、双方で手数料がかかる点も理解しておくようにしましょう。リターンが高くない側面があるが故に、手数料が利益を圧迫する可能性もあります。ある程度しっかりリターンを得られないと利益が残らない可能性もあるので、コスト面は十分注意が必要です。
第2位ベイビュー・ アセット・マネジメント
総合評価 | 3.8/5.0 |
運用の安定性 | ○ 直近5年-8%~+20% |
投資のハードル | ○ 最低投資額1,000万円 |
資産の流動性 | ○ 解約タイミング半月 |
手続きのシンプルさ | × 利回りから手数料控除必要 |
企業の信用力 | ◎ 第二種金融商品取引業 |
ベイビュー・ アセット・マネジメントについて
運用開始は2014年、運用会社はベイビュー・ アセット・マネジメントです。投資手法は日本の中小型株式を対象としたロング・ショート戦略をとっています。
ベイビューアセットマネジメントの利回り
利回り | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | Total |
2014年度 | – | – | – | +1.23% | +2.42% | +0.49% | -0.13% | +0.99% | +3.85% | -2.10% | +0.60% | +1.14% | +8.71% |
2015年度 | +2.54% | +3.22% | +1.75% | +1.03% | -1.05% | -1.49% | +1.38% | +2.26% | +1.88% | -2.18% | +2.53% | +5.22% | +18.23% |
2016年度 | -2.07% | +4.80% | -1.19% | +0.94% | -0.12% | +3.86% | +3.16% | +1.35% | +1.14% | +3.41% | +1.58% | +1.34% | +19.51% |
2017年度 | -0.26% | +4.42% | +1.27% | +2.20% | +2.77% | +4.03% | +2.56% | +0.92% | +2.42% | +4.67% | -2.06% | -4.20% | +19.95% |
2018年度 | -0.71% | +0.04% | -1.86% | +0.08% | +0.72% | -0.24% | -4.11% | -2.07% | -1.42% | +1.27% | +1.16% | +2.32% | -4.89% |
2019年度 | +2.16% | -1.33% | -1.21% | -0.43% | -2.08% | -0.64% | +3.54% | +1.82% | +2.65% | -2.26% | -8.16% | -1.79% | -7.96% |
2020年度 | +6.66% | +9.61% | +5.79% | +1.96% | -0.62% | +6.26% | -1.54% | +4.37% | – | – | – | – | – |
ベイビューアセットマネジメントは、日本の中小型株を投資対象とした投資手法をとっているため、日経平均株価に影響を受けることが見て取れます。
例えば2015~2017年の3年を見ると、おおよそ年20%程度のリターンを得ることができておりかなり好調な運用ですが、2018年以降は低迷しています。
ベイビューアセットマネジメントの総合評価
評価できるポイントは、
- 調子の悪い時も、大幅な下落を下げる運用
- 金融庁の許認可を取得
などがあります。
日本株式への投資になるため、日経平均に大きく影響されることになりますが、市場が下落傾向になる場合でも、大幅なマイナスを避ける安定した運用を行う点は評価できるポイントだと言えます。
ここ数年は少し調子を落としていますが、好調時は20%程度のプラスが出るなど安定したパフォーマンスも見せています。ただしマイナス時を考えると、もう少しリターンが大きくなることも期待したいところです。
マイナスポイントは、
- 利回りが物足りないこと
- 最低投資額が1000万円とハードルが高いこと
- 手数料控除が引かれること
などがあります。
ベイビューアセットマネジメントでは、利回りから手数料が引かれます。手数料は成功報酬と信託報酬があるので、その点は投資家自身が計算する必要があります。最終的にどのぐらいリターンがあるのかは、計算してみないとわからない点においての分かりにくさはマイナスポイントと言えそうです。特に信託報酬は運用がマイナスの場合でもかかってきますので、注意が必要です。
利回りの面で物足りなさはありますが、第二種金融商品取引業の許認可を取得していることや、顧問弁護士が四大法律事務所の1つでもあることから、会社としての信用性は高く、その点は安心して投資できるファンドと言えるでしょう。長期保有を前提にした投資を考える人にとってはおすすめできるファンドです。
第1位 エアーズシー証券
総合評価 | 4.2/5.0 |
運用の安定性 | ○ 直近5年-7%~+29% |
投資のハードル | ○ 最低投資額10万米ドル |
資産の流動性 | ○ 解約タイミング毎月 |
手続きのシンプルさ | △ 証券会社手数料が別で必要 |
企業の信用力 | ◎ 第一種・第二種金融商品取引業 |
エアーズシー証券について
運用開始は2009年とヘッジファンドの中では運用歴の長いファンドです。運用会社はWMQS グローバル・マネジメント LLCです。投資手法は世界株式のロングショート戦略をとっています。
エアーズシー証券の利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
2009年 | -6.42% | -8.69% | +7.16% | +11.00% | +11.60% | -0.82% | +9.36% | +2.46% | +4.38% | -2.11% | +3.93% | +1.71% | +36.18% |
2010年 | -4.01% | +1.88% | +4.64% | -0.40% | -9.69% | -3.28% | +7.16% | -4.38% | +9.92% | +4.62% | -2.45% | +7.40% | +9.90% |
2011年 | +2.72% | +2.76% | +0.19% | +4.72% | -1.91% | -0.02% | -3.76% | -8.63% | -9.46% | +12.70% | -1.05% | +0.61% | -3.54% |
2012年 | +6.07% | +3.68% | +1.63% | -1.40% | -8.61% | +6.63% | +2.48% | +3.26% | +3.04% | -2.25% | +3.78% | +2.29% | +21.52% |
2013年 | +6.68% | +1.25% | +2.19% | +2.16% | +1.02% | -2.66% | +6.25% | -2.45% | +5.55% | +3.14% | +2.54% | +4.44% | +34.00% |
2014年 | -1.57% | +5.06% | +0.87% | +2.93% | +2.42% | +1.86% | -1.16% | +3.10% | -1.62% | +1.44% | +3.01% | -0.18% | +17.12% |
2015年 | -0.91% | +5.80% | -1.15% | +3.50% | +0.07% | -1.80% | +3.21% | -5.93% | -1.44% | +7.09% | +0.81% | -1.23% | +7.57% |
2016年 | -6.44% | -2.04% | +9.14% | +4.73% | +2.19% | -2.48% | +5.16% | -1.33% | +2.42% | -1.43% | +2.88% | +2.05% | +14.80% |
2017年 | +1.56% | +3.77% | +2.62% | +1.30% | +0.57% | +0.03% | +4.02% | +2.20% | +3.04% | +1.94% | +3.79% | +0.88% | +28.86% |
2018年 | +7.74% | -4.46% | +0.64% | +0.15% | +2.16% | -1.29% | +3.35% | +1.60% | +0.11% | -9.78% | +0.41% | -6.46% | -6.81% |
2019年 | +9.25% | +1.87% | -0.18% | +4.81% | -6.24% | +5.67% | -1.00% | -3.58% | +2.73% | +2.75% | +2.56% | +1.90% | +21.47% |
2020年 | -1.32% | -7.87% | -12.36% | +12.44% | +4.26% | +2.84% | +4.06% | +6.55% | -3.28% | -4.07% | +10.42% | +4.38% | +13.90% |
運用実績が長く、過去に遡って見てみると、好調時は30%程度のリターンが期待できます。マイナス運用時も一桁台に抑えるなど、利益は大きく、マイナスは低く抑える運用は好印象です。
世界株式の影響を受けるので、市場の上昇トレンド時は高いリターンを得ることができますが、下落トレンドの局面ではリターンも下がるのが特徴です。
エアーズシー証券の総合評価
評価できるポイントは、
- 下落時も大きなマイナスを出さない運用
- 世界トップレベルのファンドマネージャーが運用
- 金融庁の許認可を取得
などがあります。
エアーズシー証券は、海外ヘッジファンドを専門に扱う証券会社です。主に個人投資家向けをメインに、金融商品の販売を行っています。その中でも、私はワールドクオント・ミレニアムファンドを最も評価しています。世界市場の影響を受ける形の運用の中、これまでの運用実績を見ても安定した運用を見せているからです。ワールドクオント・ミレニアムファンドはミレニアム・マネジメントという世界トップレベルのヘッジファンド、ミレニアム・マネジメント設立のベンチャー企業として知られています。ミレニアム・マネジメントから派遣された優秀な人材が運用を行っているとしたら、高いパフォーマンスで安定運用しているのも頷けます。
マイナスポイントは、
- 証券会社の手数料が別途必要
- 解約や出金タイミングは月に1回だけ
- 最低投資額は10万ドルから
最低投資額は10万ドルからと少しハードルが高めなところはマイナスポイントと言えますが、一般的にこの手の有名な海外ファンドは最低投資額1億円以上のところも珍しくないので、その点から考えるとさほどハードルが高いとは言えないかもしれません。
ただし、手数料は注意が必要です。ヘッジファンドへの手数料だけでなく、証券会社であるエアーズシー証券への手数料も発生します。手数料は業界水準より高い設定であることはしっかりと把握するようにしておきましょう。
利回りについては、好調時は年30%を超える時もありますが、ワールドクオント・ミレニアムファンドは基本世界株価指数(平均10%弱)を上回る程度を目標として設定しています。利回りは15%前後を目安に考えるのが無難です。
市場トレンドの下落時も大きなマイナスが出ない運用を行っていることが見てとれますが、投資を始めるタイミングは注意してください。株価が高騰しているタイミングで参入すると、その後の下落でマイナスが出るリスクが高くなります。できるだけ株価が下落しているタイミングを見て投資をスタートすることをお勧めします。
個人投資家おすすめのヘッジファンドランキングのまとめ
今回は、私の投資経験と、実際に問い合わせや面談を行って得た情報を踏まえて、個人投資家におすすめのヘッジファンドをランキング形式でご紹介しました。
基本的にヘッジファンドは機関投資家や富裕層向けのものがほとんどです。ただし、最近では個人投資家を対象にしたファンドも増えつつあります。しっかり情報を調べてうまく活用することをお勧めします。
ただし、情報を調べる上で、ヘッジファンドの情報はうまく見つからないことも理解しておく必要があります。ネットの情報は少なく、真偽の程がわからないものも多いので、実際のところどのファンドが優秀なのか、どのファンドは避けるべきなのかの判断もつきにくいはずです。
この記事では、これまでに数多くのヘッジファンドに投資してきた私の経験と、問い合わせや面談を行うことで手に入れた生の情報をまとめてランキング形式でご紹介してきました。あなたがヘッジファンドを選ぶ際の、判断する際の参考になれば幸いです。